日本国有鉄道労働運動史【鉄労視点】

日本国有鉄道労働運動史、鉄労視点で綴るblogです

新潟闘争とはどのような闘争だったのか 第八話

本日も、鉄労友愛会議の、「国鉄民主化への道」を底本として、アップさせていただきます。

国労中央闘争委員と新潟鉄道管理局長の交渉

さて、再び新潟での交渉に戻したいと思いますが、が、この交渉は7月14日から15日にかけて交渉が実施されました。

この交渉で新潟鉄道管理局長の河村は、

  • 今回の中村・佐藤の処分を撤回すること

に関しては、「解雇発令日を1年延期する」

  • 今回【10日以降】の闘争の責任者は処分しないこと

に関しては、処分者を一人だけとする

と言うところまで譲歩したそうで、国労中央闘争委員の細井は、妥協しようとしたらしいのですが、新潟地本は、「一人でも解雇者が出ることはダメと粘ったことから交渉は難航したそうです。

このときの新潟地本は、共産党が支配している地本であり、新潟地本としての思惑は、専従担当者三人程度の停職であったそうです。

その辺を、「国鉄民主化への道」から引用してみたいと思います。

p-265

この会談は、翌15日未明まで続けられ、河村は、第一項の処分については、「解雇発令日を1年程度延期してもよい」、第二項の今次闘争の処分者は「一人にしぼってもよい」というところまで譲歩した。

細井はこの線で当局と妥協したかったようだが、新潟地本(各名演集の闘争を続けたい共産党)は「一人でも解雇者が出ては駄目だ。組合専従者三人程度の停職ならいい」と言って承知しなかった。

このように交渉は難航を極めたそうですが、更に交渉を難航させる要件が発生しました。

国労スト参加者の逮捕で、組合側は更に態度を硬化することに

同日17時50分、警察に越後滝谷駅長と家族を脅した5人が逮捕されたというニュースが入ってきました。

早朝5:30から休憩していたのですが、ここで一気に新潟地本も緊張、直ちに「会談打ち切り」を一方的に通告し、支部には「無期限の職場大会」を指示しました。

ここにきて一気に再び緊張が高まったとなっていますが。この辺は当局側と、組合側では見解に相違があるようです。

組合側は、妥協する意思はあったが、逮捕劇があったので交渉を打ち切ったとし、当局側は、すでに17:30の時点で交渉は決裂しており、休憩時間中にたまたまこの逮捕の情報が入ったのだとしています。

この辺を再び「国鉄民主化への道」から引用してみたいと思います。

p-265

右の河村・細井会談の打ち切りについて当局と地本との話が食い違っており、"藪の中"的である。当局側は、「5時30分に休憩に入ったときには、すでに事実上決裂状態で、組合側はt直ちに指令を発していた。たまたま逮捕者が出たので、これを口実にして、話合いを打ち切りを正式に通告してきたのだ」といい、組合側は、「妥協する気持ちはあったが、当局が5名を逮捕する、という挑戦に出てきたので打ち切ったのだ」と言っていた。

まぁ、真相は闇の中ではありますが、どうも当局側の言い分が正しいのではないかと言う気がします。

 結局、新潟闘争は妥結するどころか更に悪化の一途を辿ることになるのですが、この辺は次回アップさせていただきます。

 

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